「人権」をテーマにした作文が課題にでました。
でも、どうやって書いたらいいのかよくわかりません。
「人権」と言われても、すぐに思い付かないかもしれませんね。
夏休みや冬休みの課題として、人権に関する作文が出ることがあり、その書き方に戸惑ってしまい課題になかなか手がつけられいないといった人も多いのではないでしょうか。
あまり好きではない人権作文であっても、人権作文を書くためのコツやポイントを押さえることができれば、充実した内容の作品をサクサクと仕上げることができるようになります。
この記事では、小学生・中学生・高校生が人権作文を書く際に覚えておきたいポイントと、他の人と大きく差をつけるためのコツをわかりやすく紹介しています。
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人権作文の書き方で押さえるポイントは5つ!
人権作文を書く際には、書き方のコツをしっかり把握してから取り組むと、時間のロスがなくスムーズに作文を書き進めることができるようになります。
作文を書く際に大切なのは実は「下準備」なのです。
これからご紹介するのは、人権作文を書く際に押さえておきたい5つのポイントです。
- テーマ選び: テーマは何を選んで人権作文を書くのか
- 構成・流れ: どういった流れでテーマを表現するのか
- 体験談の書き方:あなたの体験談を入れましょう
- 事実と考え: 今回のテーマからの学びや感じたことは?
- まとめ: テーマから出てきた今後の課題など
この5つのポイントを作文を書く前に「大まかな道筋」として考えてから、実際に作文を書き始めることが大切です。いきなり何も考えずに書き始めてはいけません。
構想を簡単なメモにまとめましょう。どの部分で何を書くかを計画するとスムーズに進められます。
人権作文の書き方のコツ1:テーマ選び
人権作文の書き方で困ることの多くは、テーマ選びに関連しています。代表的な人権作文のテーマをいくつかごしょうかいしておきましょう。もちろんこの中から選ぶ必要はありませんが、テーマを考える際のヒントになればと思います。
- 平等な機会
- 差別
- 障害者
- 教育の機会均等
- 労働者の権利
- 性的指向とジェンダー・アイデンティティの尊重
- 貧困の撲滅
- 健康へのアクセス
- 高齢者問題
- 表現の自由
- 平和と安全
- 環境問題
テーマ選びは、あなた自身にとって人権問題の切り口として書きやすいかどうかを考慮しながら行いましょう。
また、この後にご紹介する書き方③で「体験談」を書くことをオススメしています。実際にあなた自身が感じたり、身近に感じたできごとなどがあるものが「体験談」を書きやすくていいでしょう。
例えば、日本で問題になっている少子高齢化問題をテーマにして、高齢者の問題を書く場合。普段、あなたの周りや近くにコミュニケーションを取る高齢者がほとんどいない。という場合は「高齢者問題」を書くことは非常に難しいかもしれません。
人権作文の書き方のコツ2:構成・全体の流れと書き出し
作文を書く際には構成や全体の流れを考えることも大切です。
起承転結のような構成を心掛け、ラフスケッチとして大まかな流れを先にまとめておくと、書きたい内容を確認しながら進められます。例えば、起承転結それぞれにどのような内容をどれくらい書くかを考え、計画的に進めましょう。書き出しも重要であり、具体的なアイデアを元に分量や構成をメモしておくとスムーズです。
これにより、人権作文が苦手な人も効果的なアプローチで取り組むことができます。
今回は「環境問題」をテーマにした場合の人権作文の構成と全体の流れのアイディアをご紹介します。
① 起: 原稿用紙半枚~4分の3程度
★導入文ではテーマが読む人に伝わり、次が読みたくなる文章を!
環境汚染による人権侵害について。環境問題が人々の生活に与える影響。
→知ったきっかけ ※ニュースの環境報道
② 承: 原稿用紙1枚~1枚半程度
★工場の排出物による地域の汚染とその実態
・祖母が若い頃に経験した環境汚染の話(体験談)
・科学書や環境保護団体のレポートで得た情報もプラスする(客観的事実・データ)
③ 転: 原稿用紙1枚程度
環境問題と言えば気候変動や大気汚染が主要なイメージ (自分の先入観)
→実際には地域の水質や土壌の汚染が人権に与える影響もあることを学んだ (問題提起) ←重要
※祖母の話や調べた内容から「あなた自身」が感じたことを掘り下げてみる
④ 結: 原稿用紙半枚~4分の3枚程度
人権作文を書く前と後での考え方・感じ方の変化を中心に
環境問題が抱える人権問題と今後の課題。自分にできることは何?
上記は一例ですが、全体の流れをメモとして先に書いておくと、実際の文章を書くのが非常に楽になります。
目的もなく、ただ何となく書いていると途中で止まってしまったり、文字を増やすためにだらだらと同じことを書いてしまうこともあります。
原稿用紙のこの範囲で、このテーマについて、こんなことを書く。と決まっていれば、あとはどのように文章として表現していくかですので、とても書くのが楽になるでしょう。
人権作文の書き方のコツ3:体験談の組み込み方
人権作文は、コンテストの要綱に体験談の組み込みを求められることも多いため、どのように体験談を取り入れるかが重要なポイントになります。
作文を始める前に、どの場所にどのような体験談を組み入れるかについてのアイデアを考えておくことは欠かせません。
テーマによってはご自身の体験談を紹介するのが難しい場合もあるかもしれません。実際、過去の県大会や全国大会の優秀賞や佳作を見てみると、作文内での扱い方は多様です。
体験談を必ずしも当事者として提供する必要はありませんが、あなた自身の問題として人権について考えているかどうかが主要な目標です。
人権作文の書き方のコツ4:事実と考えのバランスを考慮
人権問題の執筆時には、事実と考えのバランスに気を配ることが重要です。
- 事実:テーマに関する調査データや自身の体験談
- 考え:テーマに関する自身の感情や主張
事実だけを挙げると、情報の提示だけで作文にはならず、単なるまとめ記事となってしまいます。逆に、考えだけを述べると、その考えの根拠が明確でないため説得力に欠けます。
事実の記述の後に、どのように感じたのか、または自分の主張がある場合、その根拠を明確に説明しましょう。
これら2つの要素のバランスを考慮することで、論理的で説得力のある人権作文が完成し、他の作品との差別化が可能となります。
人権作文の書き方のコツ5:今後の課題とまとめ
人権作文では、作文の始まりと終わりに、自身が学んだことと成長したことを示すことが大切です。
作文の「結」のセクションでは、自身の考えや感情がどのように変化したかを掘り下げ、今後の課題や問題解決の手段に触れてください。
作文で提起した問題をもとに、今後の課題や問題解決に対するアイデアを提供することで、読者の共感を引き出すことができます。
自身の意見や感情も重要ですが、どのようにして問題に取り組むか、または今後の行動計画について言及することで、他人事ではなく自分の問題として人権問題を捉えていることが示されます。
人権作文の書き方を説明しました。どうぞこれらのヒントを参考にして、優れた人権作文を書くためのスキルを向上させてください。
年代別人権作文の書き方のコツ
ここからは、年代別に分けて人権作文の書き方のコツをご紹介していきましょう。
年齢によって文章力には大きな差があります。ご自身やお子さんの年齢に合わせて適切な「書き方のコツ」を掴むことが重要です。
小学生向けの人権作文の書き方のコツ
小学生向けの人権作文でのポイントは1つ「わかりやすさ」です。
自分が「人権」に対して興味を持ったテーマについて、学んだことであったり、感じたことを分かりやすく伝えることを大切にして文章を書いていきましょう。
読んでいる人が作文の最後まで作文の内容を理解しやすく進められるように気を付けましょう。
そのためには話題がぶれないように注意すること。そして、最後に「こうなればいいな」と自分の思いを加えることができれば、他の人との差別化が可能です。
中学生向けの人権作文の書き方のコツ
中学生向けの人権作文を書く際にのポイントは「変化」です。
中学生は、人権問題に関する意識の変化を作文の要所に取り入れ、自身の心理的成長や変化を文章に反映させることが大切です。
人権作文における意識の変化は、通常以下のステップに従います。
- 興味を持つ
- 問題を認識する
- 問題に対して考える
- 自身の課題を発見する
作文を進める際、事実と考えのバランスを保つことに加えて、自分の考え方や成長に焦点を当てて分析します。
考え方が変わった、感じ方が変わった、見る視点が変わった、捉え方が変わった。
意識の変化に注意を払うことで、段階的に人権問題に対する理解を深め、説得力のある作文を書くことができます。その結果、他の作品と差をつけることができます。
高校生向けの人権作文の書き方のコツ
高校生向けの人権作文を書く際にのポイントは「多角的視点」です。
高校生の人権作文では、テーマを異なる視点から捉えることを意識しましょう。テーマと自身の関わりに基づいて、次の2つのタイプのテーマが考えられます。
- 日常生活において自分にも関連がある身近なテーマ
- メディアなどを通じて知識を得る、日常とは異なるテーマ
身近なテーマを選ぶ場合、それを社会的な問題として位置づけ、より広範な視点から自身の考えや主張を展開しましょう。
一方、日常生活から遠いテーマを選ぶ場合、そのテーマを具体的な出来事と結びつけ、自身の問題として捉えるよう心がけましょう。
テーマを多角的に捉えるアプローチを取ることで、人権作文に深みが加わり、より説得力のある文章を書くことができます。その結果、他の作品と差別化できるでしょう。
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まとめ
人権に関する作文を書く際のコツについて今回の記事では解説してきました。
人権についての作文課題は、どの年代にも出題されることがありますが、どうやって書いたらよいか悩むことがあります。この記事では、小学生、中学生、高校生向けの人権作文の書き方のコツを詳しく紹介してきました。
まず、人権作文を書く際の全体のアプローチとして、テーマ選び、構成・流れ、体験談の組み込み、事実と考えのバランス、そして今後の課題とまとめの要点を押さえましょう。
小学生向けのコツは、文章をわかりやすく書くことです。選んだテーマについて学んだことや感じたことを分かりやすく説明し、読者が最後まで内容を理解できるように注意しましょう。また、話題がぶれないように心掛け、最後に自分の思いを加えることで他の作品と差をつけられます。
中学生向けのポイントは「変化」です。人権問題に関する自身の意識の変化を文章に反映させましょう。興味を持ち、問題を知り、考え、自分の課題を見つける過程を表現することが大切です。意識の変化に焦点を当てることで、説得力が増し、他の作品から差をつけることができます。
高校生向けのアドバイスは「多角的視点」です。テーマを異なる視点から捉えることを心掛けましょう。身近なテーマを選ぶ場合は、広い視点で問題を考え、日常生活から遠いテーマを選ぶ場合は、具体的な出来事と結びつけて捉えるようにしましょう。多角的なアプローチを取ることで、人権作文が深みを持ち、説得力が増し、他の作品と差別化できます。
以上のコツを参考に、人権作文のスキルを向上させ、優れた作品を書けるようになりましょう。年齢に合ったアプローチを選び、自分の考えと成長を文章に表現しましょう。